絵画を見に来ませんか?
秋葉原の駅前でお姉さんに絵葉書をもらった。
「いま絵画の展覧会やってるんですよ、見ていきましょうよ」
と、強引に展覧会場へ連れて行かれました。
ブラブラとイルカの絵を見ていると、先ほどのお姉ちゃんとは違う中年の女性が話しかけてきました。
「こんにちは、学生さんですか?」
「はい。」
「ごゆっくり。」
サーっとおばちゃんは行ってしまいました。「?」と思いましたが、他に話しかけてくる人もいないし、絵も一通り見たので展覧会場を後にすることに。
しばらく歩いているとまた絵葉書をもらったのです。しかもさっきの会場から500メートルほどしか離れていません。
またまた、強引に中に連れて行かれてしまいました。
中を見てみると、さっきの会場と飾ってある絵が全く一緒。イルカばっか。
イルカ会場かここは。と思っていると、また女性が話しかけてきますた。
「こんにちは、何か気に入った絵はありましたか?」
「ん〜絵は良くわからないですねえ。」
「そうなんですか?けっこう芸術とかすきそうな感じに見えますけど、学生さんですか?」
また「学生さんですか?」だ。さっきは正直に答えたから何も起こらなかったので
今度は少し、ウソをついて「社会人です。」と答えてみました。
「そうなんですかあ!どうですか?こっちとこっちの絵だったらどっちがいいですか?」
「え、どっちかと言えばこっちかな。」
「お目が高い!この絵はすごい人気があるんですよ!売り切れそうなんで手に入れるなら今ですよ!」
やはりというか何と言うか、こちらが会社員だとわかると営業トークに切り替えてきましたね。
しかも、その絵はさっきも見たっつーの。
その後、僕は奥の部屋へ案内されました。
高い壁と絵で細かく仕切られたその部屋は、どうやら「契約部屋」のようです。
僕が席に着くと、さっきのお姉さんではなく男の人が入ってきました。。
雰囲気からさっするに、そうとうのヤリ手のようです。男は僕を挟むように座ります、もう逃げられないお。
「いい絵でしょう?どうですか、今なら手に入りますよ。」
挨拶も無く、いきなりはじまた男の営業トークは2時間近くに及びました。なげーよクソ。
そして二時間経ったあたりから、彼の態度が急変しました。
「なあ、どうすんのこれ?」
いきなり横柄な態度になり、こちらを見下すように喋ってます。
「こんだけ説明させて買わないつもり?誠意見せろよ」
誠意とは聞いて飽きれる、無理やり引っ張り込んでおいてその言い草はなんやねん。
「会社に損害だしといてどう責任とるかって聞いてんだよ」
損害!?損害なんかいつ出したんだ、絵が売れなきゃ売り上げにならないが「損害」にはなりません。
もうガマンできない…っ!ビクンビクン
「損害ってなんだあぁ!?てめえらが勝手に引っ張り込んだんだろうが!!」
いきなり切れだした僕に、一瞬ひるむ男。しかし、すぐに言い返す。
「お前が買うって言うから今まで説明してたんだろうが!そんなこともわかんねえのか!」
「いつ言ったんだそんなこと!頭腐ってんのか!!?」
「この絵がいいって言ったろうが!!」
言った、確かに言った。二つの絵を比べたら「どちらかと言えばこっちがいい」とは言った。だが「買う」とは言ってない。
しかし、悪徳業者にとってそれは「この絵がいい」=「買う」という超強引解釈なのだ。
「言ってねえよ!もう帰る!!」
「もう契約書は作ったんだ!サインしろ」
「特商法違反だぞ」
「うっ!」
固まる男。
「わかったらどけ!」
「……」
「どけよ!!」
「………」
「どいてくだちゃい♪」
「ブハっw」
ふん、未熟者め。この「ブチ切れバーブー」をくらって笑わなかった業者はいない。
また俺の勝ちだ。
颯爽と契約部屋を後にする俺。隣の部屋では気弱そうな兄ちゃんがローンを組まされそうになっていた。
あーあ。
対策
基本的にクーリングオフというのは、店に自分から行って結んだ契約には効かないことがあります。
今回のようなケースは微妙なラインです。ですので、「もう帰りたいから契約しちゃって後でクーリングオフしよう」とかは認められないかもしれません。
予防策としては、まずそのような場所には立ち入らないこと。「君子危うきに近寄らず」です。
入ってしまった場合は「学生です」「フリーターです」等支払い能力がないフリをするのも有効です。
例:「自宅をセコムしてます。」
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