訪問販売(押し売り系)の体験談

水道局のほうからきた!

僕が一人暮らしを始めてから数ヶ月、今度は水道屋がやってきました。
「こんにちはー水道局のほうからきましたー、水質調査をさせてもらってます。」
とアパートのドアを開けっ放しで寝ていた僕の部屋に勝手に入り込んできました。
すでに住居不法侵入です。
開けっ放しで寝ていた僕の無用心でしたが、それ以上に
「うわー、ホントに水道局「の方」って言うんだー!」
と、サザエさんの泥棒くらいベタベタな水道局を装う業者に喜んでいる自分がいました。

テキパキと何か調べている(ニセ)水道局員。仕事っぷりは素晴らしいものがあります。
と、いうより僕に悪徳業者だとバレてないと思っているようで
彼はあくまで「水道局員」を演じていました。

「あー、この水道塩素とカルキがずいぶん混じってますね。」

お決まりのセリフキター。さらに、
「このままじゃガンになりますよ。でもこの浄水器を使えば〜」
脅しから営業トークに入るとは、なかなか王道をわかっている水道局員の兄ちゃんです。

「今なら何と50万円!」
高っ!!
思わず声が出るくらい高い浄水器です。そんなもん貧乏大学生が買えるはずないだろうが。

「ですよね、学生さんにはちょっと高いですよね。それでしたらこちらの小型浄水器がおススメです。」
「いくらですか?」
「25万です」
高っ!

小型でも何でも結局はバカ高い。
しかし兄ちゃんは、小型のほうを蛇口に取り付けてしまった。
「ほら、見てください。薬品を入れると塩素に反応して赤くなるんですが、ほとんど変化しないでしょう?小型でも効果は抜群なんですよ」
エヘン、と胸を張る兄ちゃん。

「もう取り付けてしまったので外せません。買ってください」
えええええ!勝手に取り付けといて何じゃそら!
そろそろ、ムカついてきたので退場願おうと思います。
「じゃあ、その大型のほうをつけたらもっと効果が高くなるってことですか?」
「そうです!そっちにしますか?取り替えましょうか?」
10秒前に「外せません」って言ってたの忘れたのかコイツは

「え?でも外せないんでしょう?いいですよ、そこにつけてください。」
「へ?」
固まる兄ちゃん。
「いや、だから2個取り付けろって言ってんだよ。早くしてよ。」

完成したのは先っちょに小型、大型二種類の浄水器がくっついている何ともごちゃごちゃした蛇口。
計75万円なり。

「ありがとうございましたー」
ホクホク顔で帰ってく兄ちゃん。75万の浄水器を買う客なんていないでしょう。
買っても同じ蛇口に二個も付けません。狂気の沙汰です。

水道をひねると取り付けが悪いのか、思いっきりひねってもチョロチョロとしか水が出ません。
その不恰好な上にロクに使えない水道を見て思ったね
こりゃクーリングオフだな」って。

兄ちゃんが帰ってから3分後、会社にクーリングオフを電話で伝えました。
夕方に業者が来ました。およ、さっきの兄ちゃんです。

「大変ですね、悪徳業者って。この工事費とか無駄じゃないんですか?」
兄ちゃんはムスっとしたまま一言も喋らず帰っていきましたとさ。

対策

よく、「クーリングオフはできません」という訪問販売業者がいますが、そんなことはありません。
基本的に訪問販売はクーリングオフができます。
今回は契約を結びすぐに解約するという方法をとりましたが、一番安全なのは「契約を結ばない」ことです。
大切なのは家に入れないことです。
家に入ったら最後、しつこいので帰りません。躊躇せず警察を呼びましょう。
販売できなくなるようにするのもひとつの手です。

例:「それ以上近寄ったら蛇口を破壊するぞおおお!

訪問販売体験談に戻る