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マルチ商法の体験談

何で「キャーポン」になったのか

皆さんは子どものころは何になりたかったですか?
僕はですね、漫画家になりたかったんです。それも本気で。
へたくそな絵で、それもノートにマンガを書きなぐってました。今思えば子どものころの可愛い熱中症みたいなものです。
でも、その夢も唐突に終わりました。僕、絵が下手だったんです。小学4年くらいに気づきました。
それまで、毎日のようにマンガを書いていた僕はそれ以来マンガを書かなくなりました。
絵が下手なんだと気づいたときは、ヘコみました。それまでは自分で絵が上手だと思ってたくらいですからね。
痛い。この子痛い。

それで漫画家の道をあきらめた僕はそれからはまっとうな人生を歩んできました。
漫画家なんて夢を見ないで普通に生きようとがんばってきました。
しかし、予想だにしないことが起こったのです。


何か昔に書いてたマンガが出てきた。一緒に日記とかも出てきた。

それは、実家に帰ったときに起こりました。すでに物置と化している僕の部屋を片付けていたときのことです。
机の上にどこかで見たことのあるファイルがあったのです。何気なしにそのファイルに挟まっているものを見てみると…
そう、紛れもなく昔僕が書いたマンガという名をかぶったラクガキでした。
これは黒歴史ノート。ある意味僕にだけ効くデスノートでもある。
このノートの内容を朗読すると、このマンガを描いた人間は死ぬ。
死因は恥ずかしさのあまり死亡。
高校に上がるときにも一度このファイルを発見してどこかに隠した記憶がある。
それ以来紛失したと思っていた過去の遺産。
開けてはいけないパンドラの箱がなぜ10年も経った今ここに現れるのだ!?
本能が叫んでいる。「読んではいけない
しかし僕は、どこか懐かしい気分になりそのマンガをパラパラと読み始めました。
しかしこれがまた内容がヒドイ。いや、内容というものがあるのかどうかすらわからないくらいヒドイものだった。
一コマ目で主人公らしき棒人間が名乗ってるんですよ。

「わがなはキャーポン」

とか言ってガッツポーズ。まだ何もしてないのにガッツポーズ。これはヒドイ
どうやらキャーポンというのがこの主人公の名前みたいです。

「どこかじけんは?」

とか言って事件を探してる。まだ2コマ目なのに展開早すぎ。ジャンプなら打ち切り臭がするくらい展開早い。
しかも同じコマ内で誰かが「キャー」とか言ってる。もうわけわかんない。読んでる自分は泣きそうです。
キャーポンはその声のするほうに駆けつけます。

「大丈夫か」

「うわー出たー!」

「お前が犯人かー!」

いきなりキャーポン犯人です。何の犯人か知りませんがとにかく犯人です。
大どんでん返しです。まだこれで4コマです。3コマ目はキャーポンが足グルグルさせて走ってました。

「いや、違う。違うんだって」

登場シーンは「我が名は」とか言ってたのに急に弱腰です。痴漢の言い訳してる人みたいです。

2話へ続く!!

ええええ!?昔の自分、ええええええええ!!??
まだ2ページしか使ってないよ。しかも最後のセリフはあんな弱気セリフで引っ張っていいの?
しかも「!」二つも付けるほど熱いシーンでもないし。
全然盛り上がってないし。むしろ読んでるほうは置いてかれ気味だし。
僕は震える指でページをめくりました。


「新連載!おでんでスクランブルEGG!」

もう次の連載始まってるうううううううううう!!キャーポン終わってるーーー!
あれからキャーポンはどうしたの?どうしたのねえ?
そのページにはスクランブルEGGのキャラたちが書かれていました。

玉子王子→明るく元気なみんなの人気者。必殺技は「ウルトラギャリックスラッシュ」敵を一撃で真っ二つにする。

ギョエエエエ、まず玉子と王子の字が似てるからって採用してる昔の自分のアイディアの貧困さにビックリ。
しかも「ウルトラギャリックスラッシュ」って何?玉子が必殺技使うのかよ。ウゴゴゴゴ!
敵じゃなくて俺の心が真っ二つ!!10年前の俺よ喜べ!この必殺技はすごい威力だ!
しかもキャラ紹介一人だけ!
ちくわとかはんぺんとか絵は描かれてるのにノータッチ!なかったことになってる!
しかもそのページで「完」とか書かれてる!始まっても無いのに終わってる!
もう限界!もう無理!読んでらんない!
僕はファイルをたたむとノートごとゴミ箱にダンクしました。
もう2度と封印が解かれることのないように燃えるゴミの袋に厳重に縛っておきました。
ちなみに一緒に出てきた日記には当時好きだった女の子の名前が呪いの呪文のように何ページも書かれてました
しかもこの日記は多分中学生になってから書かれたもののようでした。完全な中二病です。
ひたすら「美樹美樹美樹美樹美樹美樹美樹…」って書いてあったり
ノートの見開き2ページ使って「美 樹」とか書いてあったり。
どうやら当時の僕はそうとう美樹さんにお熱だったようです。イタイイタイイタイ、僕の心の弱い部分がイタイ!
誰か薬持ってきてー!深夜の通販番組で怪しい外人が宣伝してるやつを!
ほら!NASAが開発したとか言ってる車の傷を一瞬で消すヤツ!それの心の傷治せる版を!!
助けて美樹!つかお前が元凶なんだよね!死ね!
今回、文章を書くのにこんなに精神をすり減らしたのは初めてです。それくらい僕にはトラウマだったんですねコレ。
しかも恐ろしいことにですね、当時の僕はマンガを書くと嬉しそうに弟に読ませていたんです。
キャアアアア!!!思い出すだけでも身の毛がよだつ!
10年前の俺を射殺したい!もしくは10年前の弟を射殺したい!
弟には何の罪もないけどとにかく殺したい!
ブラックジャック先生、お金はあるんです!僕の記憶を消してください!


マンガを読み終わった時、僕は汗でビッショリでした。
何と言うか、お化け屋敷を出た後のイヤな感じの汗で。
「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものは」
とシャアも言っていますが、その通りです。
できればあのマンガを書いたのは実は弟、ということにしてここに披露したかったです。
でもそれは無理でした。僕の心が、もう1秒たりともこのノートと関わりたくないと叫んでいたのです。
それに、全部弟の作品にしても弟に

「いや、それ書いたのお前じゃん

って突っ込まれたら自殺ものです。それだけは避けたい。


皆さんは昔、何になりたかったですか?え?忘れた?
またまた、ご冗談を。昔、自分で作った詩のことくらい覚えているでしょう?
みなさんの中で昔、自作の詩集を作ったことのある人は晒せ!
無い人はウソツキ!知らないっ!
以上、今日は解散!
というわけでわぁが名はキャーポンなり!

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